コーヒーや紅茶、緑茶にも含まれるカフェイン。
摂りすぎると健康上のリスクがあります。
コーヒー1杯に含まれる量、紅茶、緑茶それぞれ1杯に含まれるカフェイン量を比較し、どのくらいが適量なのか、基準量を紹介します。
カフェインは過剰に摂取するとリスクがある
仕事の休憩の時間やリフレッシュしたいときに、飲みたくなるのがコーヒーや紅茶などのドリンク。
コーヒーや紅茶に含まれるカフェインがほど良い刺激となり、気分をリフレッシュできることが知られています。
ただし、過剰に摂取するとリスクがあるので、適量であることが重要です。
適量のカフェインは良い効果がある
カフェインは興奮剤でもあるので、脳内の神経に刺激を与え、眠気を抑えてくれます。
仕事や勉強の合間に摂取すれば、効率的に仕事や勉強が進みます。
適量であれば脳の中で記憶を司る海馬に影響を与え、記憶力の向上に役立てることができます。
また、運動前に摂取すると疲労を減らし、持久力が多少増強されるとされます。
筋肉疲労の回復効果もあります。
他に頭痛や気管支の状態も良い方向に向かわせることも期待できます。
カフェインを摂りすぎるとどうなる?
質の良い睡眠が取れなくなり、体を冷やす作用で冷え性の原因になります。
交感神経に作用するため、過剰に摂取すると心拍数の増加、血圧の上昇を招きます。
常に興奮状態になるので自律神経が乱れ、体がだるくなり、気分の落ち込みなどの症状も見られます。
胃液の分泌を促すため、空腹時に摂取すると胃痛を起こす場合もあります。
コーヒーに含まれる気になるカフェイン量は?
コーヒーは豆の抽出方法によって、カフェイン量は異なります。
また、手軽に飲むことができる缶コーヒーもブラック、ミルク入りなど商品によって差があります。
ドリップコーヒー
ドリップコーヒー1杯 | カフェインの量 | 100ml当りのカフェインの量 |
---|---|---|
150ml | 60mg | 40mg |
ドリップ式では、約100ml当たり40~60mg程度含まれます。
エスプレッソ
エスプレッソコーヒー1杯 | カフェインの量 | 100ml当りのカフェインの量 |
---|---|---|
30ml | 92mg | 212mg |
エスプレッソは高温高圧で抽出するため、カフェインも濃縮されて量が増えます。
缶コーヒー
缶コーヒー1本 | カフェインの量 | 100ml当りのカフェインの量 |
---|---|---|
ブラック 165ml | 92mg | 56mg |
ミルク入り 165ml | 107mg | 65mg |
エスプレッソタイプは、さらに量が増えます。
ほとんどの缶コーヒーが100ml前後、またはそれ以上のカフェイン量を含んでいます。
1回に摂取する量で比較すると、エスプレッソコーヒーよりも缶コーヒーの方が高いことが分かります。
コーヒー、紅茶、緑茶に含まれるカフェイン量を比較
コーヒー
ドリップ、エスプレッソ、缶コーヒーでかなり異なります。
ブラックコーヒーを1回に飲む量に含まれるカフェイン量で考えると、60~100mg前後となるでしょう。
紅茶
紅茶は茶葉の細胞を壊すことで、お茶の成分を抽出されやすくしています。
一般的にお茶の中で、もカフェインが多いことで知られています。
茶葉から抽出した紅茶と、市販のペットボトルで比較します。
紅茶1杯 | カフェインの量 | 100ml当りのカフェインの量 |
---|---|---|
150ml(茶葉から抽出) | 30mg | 20mg |
500ml(ペットボトル) | 60mg | 12mg |
500ml ミルクティー(ペットボトル) | 95mg | 19mg |
コーヒーより紅茶の方がカフェインは少なく、市販のペットボトル入り紅茶の方が、茶葉から淹れる紅茶より少な目です。
ミルクティーの方が多いのは、ミルクを入れる分、紅茶の香りと風味を強くしているからです。
緑茶
食事と一緒に摂ることが多い緑茶。
茶葉から抽出した煎茶、ほうじ茶、玉露、緑茶のペットボトルで比較してみます。
お茶1杯 | カフェインの量 | 100ml当りのカフェインの量 |
---|---|---|
150ml 煎茶(茶葉から抽出) | 30mg | 20mg |
150ml ほうじ茶(茶葉から抽出) | 15mg | 10mg |
150ml 玉露(茶葉から抽出) | 240mg | 160mg |
150ml 緑茶(ペットボトル) | 65mg | 13mg |
1回に摂取するカフェイン量で比較すると、玉露がエスプレッソを上回り、断トツという結果でした。
玉露は茶葉を栽培するときに、収穫前の3週間をよしずなどで覆い、日陰を作ります。
茶葉は日光を遮られるとカフェインを量産するので、これだけの含有量になってしまいます。
コーヒーは1日に何杯まで飲んでも大丈夫?
カフェインの1日の平均摂取量は、
- 男性が268mg
- 女性が256mg
とほぼ同じくらいです。
摂取源はその国の食生活によって異なりますが、日本では男女ともにコーヒーとお茶の2つが突出しています。
では、1日に何杯まで飲んでも良いのでしょうか?
安全な摂取量ってどのくらい?
アメリカ食品医薬品局(FDA)のガイドラインでは、「1日400mgまで」が適量とされています。
欧州食品安全機関(EFSA)では、体格による違いを考慮した数値が以下のように発表されています。
健康な成人が1日に摂取できる安全量 「体重1kg当たり5.7mg」
成人1回分の適量は子どもや未成年に当てはめても差し支えないとされていますが、子どもの場合、大人のような耐性があるとは限りません。
子どもの場合は、摂取量を慎重にすることがベストです。
また、睡眠の研究調査ではカフェインを1日に250mg以上摂取すると、夜中に目が覚めることが明らかになっています。
日本人の平均摂取量が同じくらいなので、よく眠れない方は摂取量を控えた方が良いでしょう。
妊婦さんや授乳中は摂取量に気をつける
欧州食品安全機関(EFSA)では、妊娠・授乳中の女性の摂取量を以下のように発表しています。
妊娠・授乳中の女性が1日に摂取できる安全量 「1日を通して最大200mgまで」
WHOによれば、妊娠中や授乳中の女性、子どもの場合、1日当たりコーヒー3~4杯が適量としています。
ドリンク以外の食品などにもカフェインは含まれる
コーヒーやお茶だけでなく、気づかないうちに摂りすぎていることがあるかも知れません。
特に含有量の多い身近なものは、以下の通りです。
- 栄養ドリンク・エナジードリンク(1本当たり):20~170mg
- コーラ飲料(350ml):15~40mg
- 高カカオチョコレート(100g):68~120mg
- ミルクチョコレート(100g):20~40mg
- 市販の頭痛薬・風邪薬・鼻炎薬(1回分):70~240mg
毎日栄養ドリンクを飲むのが習慣になっている方は、摂取量に注意した方が良いでしょう。
また、人気の高カカオチョコレートに、コーヒーや紅茶を組み合わせるときにも注意が必要です。
ラベルにカフェイン量が記載されているものもあるので、ラベルチェックを習慣づけると良いでしょう。