世界60ヶ国で200種類以上生産されるコーヒー豆の原種は、3種類です。
よく飲まれる代表的な銘柄のキリマンジャロやブルーマウンテン、ハワイ・コナ、モカ、コロンビア、ジャワの生産地や味わいの特徴などを紹介します。
コーヒー豆は、生産地によって個性があります。
知っておけばコーヒー豆を選ぶ時に、自分の好きな味のコーヒー豆を見つけやすくなるでしょう。
世界60ヶ国で200種類以上も生産されるコーヒー豆
世界の約60ヶ国で生産されているコーヒー豆の種類は、200種類以上もあります。
主に栽培されている地域は、熱帯や亜熱帯気候の地域です。
ただし、少し標高が高く、気温は20℃前後 の条件を満たすところがコーヒー豆の栽培に適しています。
コーヒーの木の実の中になる種がコーヒー豆で、白いコーヒーの木の花が落ちると小さな丸い実をつけます。
実が完熟するとさくらんぼのような色に変化するので、コーヒーチェリーと呼ばれます。
その中に通常2つの種が入っており、その種を取り出し、処理した生豆を焙煎するとコーヒー豆となります。
世界のコーヒー豆の原種は3種類に分けられる
コーヒー豆はよく飲まれるアラビカ種、カネフォーラ種、リベリカ種の3つの原種があります。
アラビカ種
世界でもっとも生産量が多いアラビカ種は、レギュラーコーヒーによく使われます。
主に高地で栽培され、栽培に手間がかかり、病気にもかかりやすい品種ですが、味や香りの質がとても高いことで知られます。
風味が豊かで酸味が比較的強いのが特徴で、日本で飲まれているほとんどのコーヒーがアラビカ種のコーヒー豆を使用しています。
焙煎すると苦味、甘味、香りを十分に引き出すことができます。
カネフォーラ種
ロブスタ種とも呼ばれ、ベトナムで生産されることが多い原種です。
低地でも栽培可能で、成長が速く、病気に強く、収穫量が多い品種です。
カフェイン量や水溶性成分が多いので、缶コーヒーやインスタントコーヒー用として使われます。
生産量が多いので、値段が安く、ブレンドコーヒーの増量にも使われます。
焦げたような感じの味わいなので、ストレートで飲むことはあまりないですが、独自の焙煎・抽出方法で美味しくする方法もあります。
リベリカ種
アフリカのリベリアが原産地で東南アジアでも生産され、低地栽培が可能で強い原種ですが、成長に時間がかかり、収穫量が少ないという特徴があります。
主にヨーロッパで消費され、日本ではほとんど販売されていません。
風味があまり良くなく、焙煎が難しいので一般的に飲用されず、生産国で消費されたりしています。
日本で飲めるコーヒー豆はアラビカ種かカネフォーラ種ですが、稀にリベリカ種を取り扱う専門店もあります。
コーヒー豆の銘柄を選ぶときのポイントがある
まずはブレンドコーヒーから味わってみる
初心者の方は数種類のコーヒー豆を混ぜたブレンドコーヒーから飲むことをおすすめします。
お気に入りのブレンドが見つかったら、その中に含まれているコーヒー豆の銘柄をストレートで試してみてください。
パッケージの裏面表示をチェックする
スーパーでコーヒー豆を買う人は、パッケージの裏面の表示をチェックしてください。
必ずコーヒー豆の生産国が記載されており、ブレンドでも商品名になっている銘柄の豆が3割以上の比率で配合されています。
味が気に入ったら、同じ生産国の豆で他の銘柄を試してみるのも選び方として面白いです。
コーヒー専門店で購入する
コーヒー専門店ならコーヒー豆の選び方をアドバイスしてくれます。
酸味は控えめ、苦味が強いなど味のリクエストに応えてくれ、コーヒーと相性が良い食べものまで考えた豆選びをしてくれます。
口コミやレビューを参考にする
近くにコーヒー専門店がなくても、インターネットで口コミやレビューを参考にできます。
自分と好みが似た方のおすすめの豆を購入することができます。
代表的なコーヒー豆の銘柄6種類とその特徴
キリマンジャロ
アフリカ大陸最高峰の山、タンザニアにあるキリマンジャロのふもとの町で栽培されています。
寒暖の差が大きい海抜1,000m以上で、豊富な降水量の高地で栽培される品質の高いコーヒー豆です。
品種はアラビカ種で大粒の緑灰色が特徴です。
酸味と苦味のバランスがほど良く調和し、甘いコクと上品な香り、あと味に雑味がなく、飲みやすいナチュラルな味わいです。
浅煎り、深煎りなど焙煎方法によってさまざまな風味が楽しめます。
ブルーマウンテン
カリブ海に浮かぶジャマイカにある、美しく輝く神秘的な山を意味するブルーマウンテンで栽培されます。
標高800~1,200mの限られた地域でのみ栽培される、ブルーマウンテンは最高級の銘柄です。
生産量が極めて少なく、希少価値の高いコーヒー豆は「コーヒーの王様」と呼ばれています。
急斜面の栽培地域の土地柄、栽培や収穫はすべて手作業で丁寧に行われます。
苦味と甘味、酸味、香りとコクのすべてが絶妙なバランスで、繊細なテイストを感じます。
特に香りが芳しく、他の香りの少ない豆とブレンドされることもあるほどです。
柔らかい口当たりとのど越しの良さは日本人好みで、日本向け輸出が全体の95%を占めます。
ハワイ・コナ
ハワイ島のコナ地区で栽培されているアラビカ種で、100年以上の歴史と伝統があるコーヒー豆です。
生産量が少なく、比較的高価で希少価値が高く、ハワイ州政府により厳しい品質管理のもと、丁寧に栽培されています。
ホワイトハウス御用達にもなっている高級コーヒー豆は、豊かなコクとほのかな酸味がやわらかく、すっきりクリアな味わいです。
また、ハチミツが入っているような甘味があるのも特徴で、全体的に爽やかな味わいとなっています。
モカ
ヨーロッパ諸国へコーヒー豆を輸出していたイエメンの港町の名前「モカ」がつけられました。
世界のコーヒー豆の中でもっとも古い銘柄で、特に日本での人気が高いコーヒーです。
エチオピアの標高1,600~2,000mの高地で栽培され、稲のように細長い形状が特徴のコーヒー豆です。
独特の強い酸味、特有のフルーツのような豊かな香りが特徴で、甘味とコクを堪能できます。
コロンビア(エメラルドマウンテン)
エメラルドマウンテンとも呼ばれるコロンビアは、豊かな自然に恵まれたアンデス山脈のふもとの丘陵地帯がふるさとです。
適度な降雨量と日照量、朝と夜の寒暖差、水はけが良く、栄養価が高い火山灰性の用地で栽培されます。
急斜面の土地のため、ほとんどが手作業による栽培で、豆の大きさで14段階にランク付けされています。
芳醇な甘味が特徴で、コクとやわらかい苦味が加わり、すべてのバランスが取れており、非常にマイルドです。
フルーティーな酸味が甘味とコクを引き立てます。
ジャワ
インドネシアのジャワ島で栽培されるアラビカ種のコーヒー豆です。
1830年頃に本格的な栽培が始まり、一時期生産減に陥りましたが、インドネシア独立後に少しずつ回復。
現在はジャワ島を代表する特産品です。
見た目の濃さから想像がつかない、渋みが少なく口当たりがマイルドで飲みやすいコーヒーです。
独特の深い香りが特徴で、多くのファンに愛されています。